2019年の治療経過
2019年は真摯に膀胱癌と向き合って治療した1年となった。BCG膀注療法と丸山ワクチン療法を始めた記念すべき、しんどくもあり充実感のある1年だった。
2019年①1月内視鏡による膀胱癌切除術(大きな手術)、②3月内視鏡による膀胱癌切除術(小さな手術)、③5月BCG膀注療法開始、④10月丸山ワクチン療法開始、⑤10月内視鏡による膀胱癌切除術(小さな手術)、⑥2020年1月内視鏡による膀胱癌切除術(大きな手術)
2020年1月 元旦
他力でなく自力で生きる
膀胱再発から紆余曲折、試練はあったが念願だったオリンピックイヤーを迎えることができた。
2020年1月9日 3回目の膀胱内視鏡手術TUR
3回目のTURのため聖マルチン病院入院、3mm大腫瘍は筋層まで切除、腫瘍周囲直径2cm範囲を電気メスで焼却した。この時2ヶ所に動脈性出血があり、その止血に不安を抱いていた。案の定、血尿が止まらない。翌日も後出血の可能性があると様子を見ていた。結局1000ccを越える出血は膀胱内血塊を作り無尿となった。血圧低下、頻脈、深夜緊急手術となった。平素は3泊4日だが5泊6日の入院となった。思ったより回復は早く翌週から仕事に復帰できた。
退院後坂出から手術結果の連絡があり、「10箇所のうち1箇所に乳頭状配列を示すG1-2相当の癌を認めます」と吉報ではなかった。
2年連続で正月明け早々坂出S病院で内視鏡手術を受けた。今年も1月はあっという間に過ぎた印象だ。
2020年2月
昨日石垣島で冬を過ごしている20年来の友人に会ってきた。彼は3年前私が肺がんの手術を勧め躊躇なく手術を終え93歳の今もとても元気でゴルフと麻雀を楽しんでおられ今日も8000歩歩いたとおっしゃる。この人に会うと不思議な元気をもらえる。帰るとき玄関からの急な階段を手すりも持たずトントンと下りて見送られたのにはビックリ、私は手すりを持つことができず見栄を張って下りたが、、、、負けている(笑)。負けてなるかと帰る途中車を降りて歩いた。
ついでにもう一人の友人を訪ねた。元は中小企業の社長さん、負債で倒産、自己破産し夜逃げ同様に石垣島へ、今は山中に放置された3000坪の荒れた畑を年間8,000円で借りて無肥料無農薬で果樹や野菜を栽培している。家は手作りのトタン屋根、収入は微々たるもので食べるのがやっとだが無農薬の食材のおかげでこんなに元気ですとニコニコ顔。無農薬無肥料だと全ての収穫は7分の1程度と少ないが何物にも代えられない安心感がある。絞りたてのサトウキビを湧き水で割って飲ませていただいた。その美味たること、言葉がないくらいだった。彼曰く、全てを捨ててこちらに住んで自然農業をしたらほんまに100歳生きれますよと勧めてくれた。
いただいたご質問への返事 がん補助療法
みなさんから私にいただいたコメントは秘書から連絡があると見る程度である。治療法がなくなった見放され癌、自ら治療を放棄した末期癌の人たちに参考にしていただきたいと取り組んでいる治療法がある。その効果は立証されていないが私は何がしかの治療効果はあると考えており体に負担のないものを選んでいる。そのひとつがフェンベンダゾールでありメラトニンであり丸山ワクチンなどである。新しく知りえた知識を追加しており、明神館クリニックのホームページがん治療相談に載せている。
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春はすぐそこまで
実ってきたパイナップル、満開のマンゴー、ぼつぼつ咲きそうなコーヒー
手入れもしないのに新鮮なイチゴを毎日楽しんでいる。
2020年3月
3月に入り3~4ヶ月ごとに行うBCGの膀胱内注入療法をやってきた。昨年5月から始めたこの治療は3月2日に9回目、9日に10回目となった。生の結核菌40mgを膀胱の中に入れる治療について話は聞いていたが自分が被験者になるとは人生不思議だ。BCGは結構強烈だ。頻尿と排尿痛に苦しめられる。人為的に急性の結核膀胱炎を起こすわけだから体全体にも変化が来る。BCG注入当日は1日で体重が2kg増える。原因は全身の浮腫だ。10日の夜体重は78.3kgあったが夜6回の排尿1800ccで翌朝の体重は76.5kg、それでも下肢には浮腫がまだ残っている。翌11日私は出勤した。息子達から親父は自分らより元気、前向きと言われる。高須克弥氏にも丸山ワクチンとBCG療法をお勧めしたい。
結核菌療法の効果はリンパ球(免疫)に表れた。
2月の2回の採血だけでは断定できないがリンパ球の比率30%台を喜んでいたが、なんと40%台の若者並みになった。今後のリンパ球は経過を見ながらこのブログに載せる。
学生時代漕艇部の過酷な練習の中に青春を発散した。昭和33クルーでエイトを漕いだ生き残りは私だけ。過酷なスポーツをした人は短命と聞いているがそうかもしれない。昔馴染みの桑野造船からシングルスカルが届き60年振り、春分の日に息子が船をセットし孫たちと一緒に川岸まで運んでくれた。なんとか沈せず波を切って感激。家では早速ローイングエルゴメーターで筋トレを開始、癌を忘れるほど気分は爽快。息子は同じ大学、同じ漕艇部、同じ脳外科医と私の後をひたすらついてくる。可愛がって育てて良かったとつくづく思っている。
2020年4月 膀胱内視鏡検査
この13日月曜日3ヶ月ぶりに膀胱内視鏡検査のため坂出S病院を受診した。画面に映し出された膀胱内はまるで爆撃を受けた跡のように荒れていたが異常ないので次は7月内視鏡でよいことになった。
終わり
何人も死を逃れることはできない
死には色々あり がん死は目立つ
延期できる死 延期できない死
その差はなんだろう
明るい性格 暗い性格
前向きの性格 後ろ向きの性格
余裕のある体力 余裕のない体力
余裕のあるお金 余裕のないお金
愛のある伴侶 愛のない伴侶
そして
有能な主治医との出会い
2020年5月 私のコロナ対策
世の中はコロナ一色、私の外来も患者さんとの間を透明ビニールで仕切り2mの距離を開けて診察している。最も危険な老医師対策だとスタッフが張り切って手作りしてくれた。闘病中の方で体力十分と言い切れる方は少ないと思う。マスクの他に何かコロナウイルス対策の飲み薬はありませんかと聞かれることがある。メディアで報じられている通り効きそうな薬は政府が流通規制をかけ政府管理にしようとしているため手に入りにくくなっている。現時点で私が自費診療で入手できたのはフオイパン錠、タミフルカプセル、ストロメクトール(イベルメクチン)である。ストロメクトールは感染症に関与してきた医療機関が優先されており一般の病院、クリニックでは自費診療でも入手は難しくなっている。フオイパン、タミフル1人分自費で4,100円、ジェネリックで約2,000円と誰でも手の届くコストではある。私は微熱が出たら迷わず10~14日間内服しようと思っている。政府はアビガンに力を入れているが後進国では安価なメラトニンを推奨している。内服量1日40㎎以上は日本人にとっては多い量に思える。
この4冊は闘病に必要な参考書として貴重な知識と教訓を与えてくれる名著。時間的余裕のない方への一押しは正しい食生活を教えてくれる神尾哲男さんの「死なない食事」そして気持ちの持ち方を教えてくれるケリーターナーの「がんが自然に治る生き方」である。がんに正しく向かうにはこの2冊をお読みになることをお勧めしたい。世の中はコロナ一色、福山も21人発症、午後は安全なハウスの中で農作業をしている。今は開花に備えコーヒーの木の剪定作業が忙しい。日が照るとハウスの中は35度、ストレリチアが咲き、コーヒーも咲き始めた。
千葉からいただいたストレリチア
咲き始めたコーヒーの花
2020年6月
BCG膀胱注入療法11回目(6月1日)12回目(6月8日)を始めた。カテーテルで結核菌を膀胱に注入し10分おきに90度体を回転させる。今回は70分で排尿、注入4時間後から排尿痛が始まりボルタレン座薬25mgで対応した。夜は19時消灯、1時間おきにトイレ通い、4時半の排尿を機に起床しニンジンジュースを作る。6時から豆腐汁とオートミールで朝ご飯を済ませ8時出勤した。
自力で生きる
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2020年7月 膀胱癌4回目の内視鏡手術
共存だよ全員集合
生物の基本は
2020年8月11日
半年ぶりに石垣島で2週間の夏休みを満喫した。デール・ブレデセンのリコード法を改めて熟読した。毎日泳いでスキューバ、オンライン診療をした。
リコード法は私の認知症外来の強力な助っ人だ。もう一人の助っ人は脳科学者の川戸佳さんだ。川戸さんは脳で性ホルモンが作られていることを確認した人である。彼の宦官の話は面白い。宦官は精巣(金玉)を抜き取った人たちだが無理やり抜き取られたのではない。下層階級の若者は自ら志願して宦官になっている。中国と言わずヨーロッパでも多くの宦官が政治経済、学問の分野で活躍した。歴史家の司馬遷、武将で大航海の指揮官を務めた鄭和は有名である。性ホルモンは内臓脂肪からも作られるが海馬視床下部など脳でも作られるのだ。精巣(金玉)がなくても智力、体力に勝り活躍した宦官の話はうなづける。子供を作れないので妊娠の心配はなく後宮において女官にもてたようである。したがって、80歳を過ぎても頭を使えば脳から性ホルモンが分泌され記憶力と若さが保たれる。年だからと引退するのはもったいない話だ。
2020年9月
BCG膀注療法13回目、14回目を受けている。6月は70分だったがこの猛暑体をいたわらねばと今回は注入後45~55分で排尿している。その分、排尿痛は軽く随分楽だ。Lamm法に基づき今後の膀注療法治療計画を立てた。
気温上昇を受けこの春バナナの露地栽培に踏み切った。予想通りすくすくと育ち、たわわに実っている。7日朝到着と聞いている超A級台風10号、西にそれてくれればありがたい。
8月31日、9月7日、14日、BCG膀注療法15回となる。これで前半のLamm法満願達成した。これから1週間頻尿とのお付き合いが始まる。頻尿、排尿痛は慣れたが夜頻回排尿による睡眠障害は結構こたえる。
2020年10月3日
連続3回のBCG膀注療法は相当にこたえた。BCGの影響による前立腺炎のため夜間尿閉に難渋した。幸いユリーフ4mg1錠夕食後が効いたが、回復に約1ヵ月の時間を要した。しばらくBCGを休まないと体がもたない。
2020年11月
82歳になった。何年振りか!?、、芦田川遊歩道でジョギングを始めた。60mから100m、200m達成、次は300m、最終目標は1000m。男にとって筋肉のきしみは快感だからジョギングは一番の贅沢かもしれない。課題は体重、身長173.5に75kは重い、せめて72kにしたい。あと6年米寿まで走れて仕事もできたら最高の贅沢。
2年間のリンパ球(免疫)の推移
2020年12月
2018年9月から始まった尿管癌に続発した膀胱癌の治療を一段落した。2年2ヶ月の闘病となった。カテーテルによる抗癌剤動注療法、内視鏡による腫瘍摘出術TUR、BCG膀胱注入療法、丸山ワクチン、ゲルソンジュース療法の組み合わせによる複合治療であった。2019年1月膀胱癌切除術TUR以来、4月、7月、11月と4回の膀胱内視鏡検査で癌を認めなかった。癌は一段落したかと思っている。今後3ヶ月おきの内視鏡検査、6ヶ月おきのBCG膀胱注入療法、1日おきの丸山ワクチン、そしてゲルソンジュースは維持していくことになる。2年間の治療を振り返って体にしんどいのはBCGだ。この治療だけは好きになれない。BCGの副作用とも思われる繰り返す前立腺炎の影響で排尿困難が進行しユリーフ4mgでは効果が弱く、ついにアボルブの内服を始めることになった。男性機能にとってはあまり飲みたくない筆頭薬だ。この闘病で得た丸山ワクチンの嬉しい置き土産は免疫力の総元であるリンパ球が若者並みに増加し安定したことだ。3~4ヶ月後から効果が出ると説明を受けた通り、2020年2月から40%台に上昇、以来2000個を超えるリンパ球を維持しており、この増えたリンパ球が癌の再発を抑え込んでくれると期待している。がん細胞の増殖を抑えるのは健康な骨と筋肉からのメッセージ物質という私の持論を実践すべく日々1時間5000歩強のウォーキングと幾ばくかの筋トレを行っている。体調からくる実感としてこれで癌は落ち着くのではないかとの希望が芽生えている。3年ぶりに受けたPET検査は異常なく陰性だった。