本日、お電話にてご説明させていただいた内容を以下のとおりまとめましたので、
ご確認いただければと存じます。
・今回の検査について
腫瘍組織から得たDNAを解析し、約2万遺伝子の中から変異を解析しております。
(正常組織はそのコントロールとして使用しています。)
膀胱癌に関しては、遺伝子変異数は平均200~400程度、
うちアミノ酸変異を伴う遺伝子変異(=TMB)は60程度が平均として報告されております。
今回の検査では遺伝子変異数が51、TMBが30でしたので、平均値を下回った結果となっております。
TMBが高い場合、オプジーボが有用であることが期待されますが、
今回は低い値でしたので、あまり効果が期待できないと予測されます。
・ネオアンチゲン候補について
ネオアンチゲン候補は、腫瘍組織から得たRNAをもとに発現のある変異遺伝子を解析し、
HLAとの結合が予測される遺伝子変異を含むペプチドを、今回152検出しております。
また、そのうち発現量やHLAの親和性から選択した治療候補ネオアンチゲンペプチドは
「4*」検出されております。
本結果を含めた報告書を後日改めて郵送させていただきます。
*SRCAP、PVRL1、TDP2、NLRC5(遺伝子名)のアミノ酸置換変異から予測された4種です。
本データは報告書には含まれませんが、ご要望いただきましたら別途お送りできますので、
ご連絡いただければと存じます。
・MMR遺伝子変異、マイクロサテライト不安定の関与について
MMR遺伝子の変異はMSIや大量の遺伝子変異の起こる原因となりうるため、相関があると考えられますが、
今回MMR変異が検出されなかったことは、TMBが少なかったことと相関していると考えることができるかと存じます。
・治療薬剤候補について
分子標的薬のデータベース(米、OncoKB)におけるレベル1、2(FDA承認のあるもの)に該当する、
30種の遺伝子と承認された分子標的治療剤を対象としております。
今回検出された51の遺伝子変異では、上記に該当するものはございませんでした。
その他ご不明な点等ございましたらご連絡いただけますと幸いです。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。